コーヒー用語だらけの桃太郎

   

昔々、ある人通りの少ない裏路地の一角に、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。

おじいさんは山に直接買付けへ、おばあさんは川に競売にでかけました。

おばあさんが川でカッピングテストを行っていると、フェアトレード農園からニュークロップニュークロップと、大きな桃が流れてきました。

「あの桃はスクリーン22以上だ。商品としては成り立たないがガラスに詰めたら見栄えがいい。」

おばあさんはさっそく大きな桃を持ち上げ、落ちきらないのこりの抽出液は捨てました。

家に帰ったおばあさんとおじいさんは桃をフィルターバスケットに入れようとしたところ、中から元気なコナが生まれました。

コナは桃太郎ブレンドと名付けられすくすくと成長し、カップオブエクセレンスに出品され、レモンのようなフレーバーとキャラメルのような甘みと評価されたあと、こんな事を言い出しました。

「サードウェーブの影響で鬼退治に行きます」

おじいさんとおばあさんは慌てて反対しました。

相手は会員制珈琲グループの代表で、農地での栽培指導まで行っている。彼はきっと樽ではなく麻袋に詰めたブルーマウンテンを用意するだろう。

「コーヒーで世界を変えることにした」

桃太郎ブレンドの決意に折れ、おじいさんとおばあさんはバリスタ推奨のフードペアリングきびだんごを桃太郎ブレンドに渡しました。

桃太郎ブレンドは鬼ヶ島を目指し熱風式焙煎していたところ、大手コーヒーチェーンが専用ロースタリーをオープンしていることを聞き、フレンチプレスを導入しようかと考えている犬に出会いました。

「きびだんごをくれたら、ライトローストにしてあげるよ。」

「それだとハンドドリップの特性が活かしきれない。深煎りにすべきだ」

「オールドクロップは黙っとれ」

桃太郎ブレンドはリベリカを見つけ興奮していると、猿と出会いました。

「きびだんごをくれたら、コピ・ルアクを作ってあげるよ」

「それはジャコウネコだろ」

コピ・ルアクをライトローストでフレンチプレスしていると、今度はキジに出会いました。

「きびだんごをくれたら3倍濃縮コーヒーをミルクでわると簡単にアイスカフェラテができるよ」

「ダッチコーヒーは早く飲まないと酸味が増して不味くなる」

ようやく桃太郎ブレンドは鬼ヶ島へ到着し、競技会へ臨みました。

しかし、桃太郎ブレンド側のバリスタが階段から足を踏み外し、右腕を負傷しました。

犬は第1ハゼでチャフが目に入り倒れました。

猿は半月以上かけてハンドソーティングした競技用コピ・ルアクのピーベリーを何者かに盗まれました。

キジはエスプレッソにコーヒーフレッシュを入れて飲み、悶絶しています。

困った桃太郎ブレンドはあがり症のコーヒーノキを使命し、タンピングし抽出したあと、フォームドミルクでフリーポアし見事勝利をおさめました。

鬼ヶ島での勝利は桃太郎ブレンドの記憶に残り、幸せに暮らしました。

芽出足し、芽出足し(選抜育種)

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*「僕はコーヒーがのめない」「喫茶店タレーランの事件簿」のネタを散りばめています。気になったら2つとも読んでみよう。

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